山伏の修練場
庚申山広徳寺

イメージ画像

庚申山上に開かれた広徳寺は比叡山延暦寺に属する天台宗寺院で、飯道山や岩尾山とともに、甲賀三霊山のひとつとして親しまれています。
寺伝では、延暦二年(783)、「伝教大師最澄が延暦寺建立の用材を求めて巡錫の途中、庚申山頂に光明輝き紫雲たなびくのを見られ、頂上に登られたところ、丈余の岩に稲妻が発し、その中に大青面金剛の霊姿を感得され、自刻の像を祀った」のが広徳寺の始まりと伝えられています。
また広徳寺には、真鍮の始祖に関わる伝承が伝わっており、山上村の藤左衛門は本尊青面金剛尊に深く帰依し、文禄二年(1593)正月に広徳寺に籠り祈願をしたところ、17日の満願の夜、銅に亜鉛を混ぜる合金の法を伝授され、慶長四年(1599)に京都に上り、そこで真鍮の合金に成功したと伝えられています。こうした藤左衛門の出世譚にあやかろうと、江戸時代には江戸、京都、大坂の三都の金物屋からの信仰が集まり、中でも江戸神田の伸銅業者であった紀伊國屋長三郎の広徳寺への信仰は厚く、境内に石灯篭を寄進した他、嘉永四年(1851)に三猿を戴いた巨大な道標(甲賀市指定文化財)が建てられた際、その発起人にもなっています。
今日も、各地の非鉄金属業者の参拝が絶えることはありません。

庚申山広徳寺

アクセス

新名神「甲南IC」より車10分

T E L

0748-62-3458

住所

甲賀市水口町山上

駐車場

あり

戻る
ページトップへ戻る