甲賀の中世城館群
甲賀郡中惣遺跡群
(村雨城跡・寺前城跡)

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村雨城跡

村雨城・寺前城は、南西方向から伸びる丘陵の先端部に築城された中世城館で、二城が連結して築かれています。
両城とも、文献等にも登場せず、城主も不明ですが、十六世紀中頃の築城かと考えられています。村雨城は、東西約30メートル、南北約40メートルの方形の曲輪を、高さ4メートルの土塁で囲んで主郭とし、虎口は西側に開き、その南西側に広い副郭を備え、主郭の南北に堀切を設けて尾根を遮断しています。
その北方、50メートルのところに位置しているのが寺前城で、東西約20メートル、南北40メートルの主郭を中心に、三方を土塁で囲んでおり、南側土塁の背後には二重堀切を設けています。主郭の北西に虎口を開け、進入路を複雑に折り曲げて敵兵の直進を妨害する構造はこの城の最大の特徴となっています。また、先端には櫓台跡もみられます。
甲賀のように低い丘陵が連なったところでは、城は水平的に拡大し、両城は一体的に機能したと考えられますが、戦国時代、甲賀の地からは強大な権力をもった領主が現れず、それぞれの地域の領主たちが互いに連携してこの地を治めており、これを甲賀郡中惣と呼びました。甲賀に残る多数の城館に、当時の甲賀衆たちの支配のあり方を見ることができます。
とりわけ甲南町新治、杉谷地域は永禄十一年(1568)に織田信長に追われた近江守護六角氏が一時この地に潜伏しており、その軍事的拠点であったと考えられ、発達した縄張りの城館が数多く築かれました。

村雨城跡・寺前城跡

アクセス

JR草津線 甲南駅 徒歩35分

T E L

0748-69-2190(甲賀市観光企画推進課)

住所

甲賀市甲南町新治

駐車場

なし

  • 寺前城跡 寺前城跡
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